色鉛筆画・制作過程(第4回)

引き続き、どんどん色を乗せていきます。

本来なら衣や髪のベースを作るのが先なのですが、手の上の光をどう描くかがずっと懸念材料だったので、先行して描き込みました。
他の箇所も、下絵の「こんな感じ」より一歩踏み込んで、ちゃんと描かなければいけないので、ある程度全体に色が乗ってくるまでは落ち着きません。
とりあえず「まあなんとかなるだろう」という所は後回しにして、「ここはいい感じに描けるか怪しいな」という所から手を付けていきます。

この段階では、多少粗いタッチが残っていても、まだまだあとから手を加えるので、気にしすぎないように。
時々絵を離れて見て、全体の雰囲気やシルエットがきれいに描けているか確認するのも大事です。

手順については、一応基本的な考え方が頭に入っていれば、あとは自分の性に合った描き方を見つけて、気持ちよく取り組めるようになれればいいと思います。

 
ここで少し画材の紹介を。

色鉛筆はカランダッシュのパブロ、紙は合成紙に水晶の粉末をコーティングしてオリジナルの下地を作っています。
目の細かい紙ヤスリの上に描いているような感覚と言えば、少しは伝わるでしょうか。
アクリル絵の具用の下地材(ジェッソ)を細目の水彩紙に塗るだけでも、似た描き心地を得られるので、気になった方はぜひ一度お試しください。

使った色は、今回は全体的に青系で統一された絵なので、一番濃い部分でも、暗い青(149 Night Blue)に留めてあります。
普通の光源の絵なら、青+茶で最暗部を締めていきます。
グレーや黒は、忠実に色を再現したいときにはありですが、イメージ重視で光を感じる鮮やかな絵を描きたいときは、あまり使わないほうがいいと思います。
補色に近い色をうまく重ねて「グレーっぽい色」「黒っぽい色」を出していきます。

 
~明日に続く