色鉛筆画・作例

色鉛筆:色辞典(トンボ)
紙:KMKケント250(ミューズ) 155mm×216mm

いわゆる「写真のような」絵を描こうとすると、水彩紙では紙目が気になるのでケント紙のような平滑な紙を使う人が多いのですが、これに硬めの色辞典で塗るとなかなか深みのある濃い色が出ません。
これは画材の性質による向き不向きなので、この場合はポリクロモス(ファーバーカステル)やパブロ(カランダッシュ)といった中軟質の色鉛筆を使うのが一番素直な方法です。
中でもポリクロモスは、均一でほどよい硬度となめらかな描き心地がどんな紙にも合い、また大抵の画材店でバラ売りしているという入手性の良さもあって、私も愛用していますが、お値段がちょっと高い。
しかも、今年に入ってさらに値上げされ、今では定価で一本350円超え。
違いがわかるようになってくれば、価格に見合った価値を見いだせると思いますが、私のカルチャー講座では初心者向けの推奨画材として色辞典を多くの生徒さんに最初に購入いただいているので、「無理に買い換えなくてもこれくらいは描けるよ」という見本として1枚描いてみました。

最初はどこかの教室で課題にしようかと思って描き始めたものの、途中で種の細かさにめげそうになり、それでも根性で描き続けて全体に色が入って、いちごの表面の光沢感が出てきたところで急に楽しくなり、なんとかお蔵入りしないで済みました。
フォトリアルは人によって結構好き嫌いが分かれますが、どこまで描いて完成とするかが比較的分かりやすいので、達成感はあります。

※色鉛筆の硬度でいくと、カリスマカラー(並行輸入品のプリズマカラーと芯材は共通)という超軟質の物もありますが、これで写実的に描くにはまったく別の技法を使うことになるので、今回は除外しました。