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「itoya 色鉛筆アート 2024」思うこと

連日多くの方に作品を見ていただき、同時に自分の作品を相対的に見直すいい機会になっています。

今「色鉛筆画」と聞くと、ふわっとした優しい絵ではなく、写真みたいなリアルな絵、を想像する方がずいぶん多くなってきていると思います。
SNSへの1枚の投稿が、それまで考えられなかったスピードで世に広まり、メディアがさらにそれを加速させた結果、ここ数年の色鉛筆画は、他の画材とは圧倒的に異質な変化の道をたどってきました。
注目を集めることは、純粋に大きなプラスです。
ですが、道のど真ん中にいる人も、傍目に脇を歩いている人も、皆が、そのあまりに一方的な流れに、すでに抵抗を始めているように感じます。
結局、表現者に安寧など無く、それこそが表現者の表現者たる所以なのかもしれません。

会場には、各作家のプロフィールも貼ってあり、制作への思いから制作部屋の写真まで載っているので、こちらも「作家自身」を知る手がかりに、作品に込められたメッセージを感じていただけると嬉しいです。

次回の在廊は14日(日)10:00からです。
夕方17:00以降は状況に応じてとさせていただきます。


「itoya 色鉛筆アート 2024」出展作品のご紹介


“Star Creation”
1455mm×894mm(M80号)
6500光年先の宇宙に存在する星雲「Pillars of Creation(創造の柱)」。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が捉えたその美しく幻想的な写真を発想の起点に、星の誕生とそれを司る女神を表しました。

左上
“Daylight Blue (II)”
254mm×368mm
太陽の眩しい光と澄み渡る青空。最も見慣れた風景も、注意深く観察すれば、美に満ちています。広い面積のグラデーションは、一見色鉛筆には不向きですが、丁寧に色を繋いでいくことで、表情豊かな温かみのある表現になります。

左下
“Morning Glow (X)”
255mm×369mm
朝日に照らされた彩り豊かな空と雲の表情は、私が最も美しいと感じるもののひとつで、長年絵の題材として取り上げてきました。下にどんな大地が広がっているのかを、見る人に想像してもらいたくて、空だけの絵にしています。

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次回の在廊は11日(木)13:00~18:00の予定です(多少前後することがあります)。
名札を付けて会場を徘徊してますので、お気軽にお声がけください。