絵画制作一覧

色鉛筆画・制作過程(第2回)

前回の鉛筆下書き、サイズは実寸で描いていますが、大抵トリミングや位置調整が必要となるので、一度デジタル化します。
スキャナを使ったほうがいいのですが、フィキサチフを吹いてないので、スキャナが汚れてはイヤというのもあって、デジカメで撮ることのほうが多いです。
さっさと定着させてしまえばいいのですが、まだまだ下書きに戻ってきて修正する可能性は十分にあるので(というかしょっちゅう)、可能な限りフィキサチフは使わないでおきます。
デジカメ撮影は簡易的なものなので、手持ちで適当に撮りますが、歪みはしっかり取らないとせっかくの下書きが台無しなので、そこはphotoshopで整えます。
なお、完成作のデジタル化は照明ムラをなくすことが難しいので、余程の大サイズ以外は必ずスキャナを使います。

データを一度A4普通紙に薄めに印刷して、直接色鉛筆で彩色し、今回のカラーラフを作ります。
これで一気に完成図のイメージが視覚化されて、ぐっとやる気が上がります。

私の場合、基本的に「自分が見たい絵を描きたい」というところから作品作りが出発しているので、ラフとはいえ、一応色がついて、全体の雰囲気も見えてくるこの段階は、描いてて一番楽しいステップです。

ところで、ここまでの工程は現代なら全てデジタルで可能です。
その方が効率もいいし、より完成図に近い画像を作れると思います。
実際、タブレット(板タブ)を買ってきて使おうとしたことも何度もありますが、どうにも気が乗らないというか、絵を描いてる実感が無くて、結局紙に戻ってしまいました。
おそらく生まれるのがあと10年遅かったら、普通にデジタルで絵を描いていたと思います。
この前たまたま見たYouTubeの油彩画家は、写真をPC上で加工して、形や色を理想的に整えたものをプリントし、それを見ながら絵を描いていました。
完成作を何で描くかという点では、一応手で描く積極的な理由もありますが、こと下絵については、デジタルだろうが何だろうが、使えるものは何でも使っていいと思っています。
普通、公開しませんし^^

~明日に続く


色鉛筆画・制作過程(第1回)

サーバーの刷新も無事終わったところで、今日から7日間、制作過程を毎日公開していきます。
リアルタイム制作ではなく、現時点で9割完成まで来ているので、ここからボツになることも無いだろうということでやってみようと思うに至りました。

このご時世を受けて、動画配信やオンライン講座をされている方の話題はよく目にしますが、うちにはそこまでの設備は無いので、私なりのささやかな日替わりの小ネタということで、どうぞお付き合いください。

一応、描き始めたときから、制作過程の公開は考えていましたが、あくまで「実制作の過程」で、いわゆる「教材としての過程公開」ではないので、手順は必ずしも基本通りではないし、途中での修正などもあります。

以前は、描き方の「型」が確立してこそ一人前と思っていましたが、今は、どんな達人でも型は日々アップデートしていくもので、そうした進歩の余地があるのは、もちろん未熟の裏返しではあるものの、「この前よりいい感じに出来た」という気持ちの高揚こそが、物事にポジティブに取り組む上で、ある意味必須事項だと思うのです。

というわけで、初回は下書きです。

イラスト的に絵を創っていくので、実は一番大事なところです。
写実画なら、モチーフのセッティングや取材にあたる部分でしょうか。

トレーシングペーパーにHの鉛筆でひたすら納得行くまで描きます。
人物のプロポーションは、腕の長さが頭何個分みたいな基準に縛られすぎず、とにかくパッと見で美しいか、を重視します。
これ以上現実から離れたらさすがに不自然に見える、というギリギリの所を攻めていきます。
たまにオーバーしてしまいますが、必要な挑戦だと思います。

陰影もつけて、できるだけ雰囲気をつかめるところまで描きます。
脳内の情報では足りない部分は資料を使って補います。ここ数年はDAZ3Dというフリーソフトの3D人物モデルを使って、ライティングを確認しています(英語のソフトで、極めればいろいろすごいことも出来そうですが、素人が独学でなんとかなる次元ではありません。一応、最低限の資料作りには役立ってるのでよしとしています)。
ここで形がきちっと定まるのが理想ですが、私の場合はどうしてもこの先色が入ってくると調整する必要が出てくるので、もうそういうものと割り切って、モチベーションに従って工程を進めていきます。

~明日に続く


白い紙は当面これで

ヴィフアールの描き心地に不満はないけど、あの紙色だけはなんとかならないものか、ということで、以前ウォーターフォードホワイト細目がまあまあいけるという記事を書いたことがありましたが、今回改めて買ってきたものと比べると、紙目が若干違う。
いわゆるロット差というやつですね。

新しい紙のほうが少しだけ紙目が目立たず、理想に近かったので、今回の仕様が続くことを願いつつ、ホームページのおすすめ画材リストに加えました。
つるっとフォトリアルな絵には向きませんが、これくらいのほうが間近で見た時に筆跡が気にならないので、個人的には気に入っています。

久しぶりにいろいろ調べてみると、初めて名前を聞く紙もあり、到底全てを試すところまでは手が及んでいませんが、画材屋ならまずどこでも扱っているであろうメジャーブランドで、かつカット判を手軽に買えるというのが、決め手になりました。

色鉛筆は、白鳥の絵はポリクロモス、空の絵は色辞典を使っています。

やっぱり青い絵には白い紙が合いますね^^
少し値は張るけど、どこかのタイミングで生徒さんにも試してもらいたいと思います。

(・・・4月以降の講座はどうなってしまうのだろう><)。