至高の鉛筆削り


このかわいいインクボトルのようなのが、今使ってる鉛筆削り。
800円くらいだったかな。替え刃を売ってるので、何度も取り替えて使ってます。

色鉛筆を削るのに、カッターを使えば好きな角度で目一杯シャープに削ることはできますが、
・完璧な円錐にはならない
・手間がかかる
私の場合、下地の影響で減りが普通の2倍も3倍も速いので、いちいちカッターで削っていては、作業が止まってばかりでダメなのです。
本当は電動削り機を使いたいのですが、角度が鋭角すぎるのと、そのくせとがり具合がいまいちで、なにより折れたときの分解が厄介すぎるので断念。

で、ずっと前からふと思い出しては気になっているのがこちら。


「カランダッシュ メタルシャープナー ¥17,828(amazon)」

レビューによると削り角度は日本の同型のものよりも鈍角で、角度調整も可。カランダッシュ製色鉛筆しか使ってない自分にとっては、同メーカー品ってことも気持ち的に◎
総金属製で圧倒的にかっこいい。
たぶん一生使える。

試してみて(銀座の直営店ならあるはず)満足行く削り具合になるなら、思い切って買っちゃうのもありだとは思うのですが・・・・・・それにしても高い、高すぎるよ。

画材には割と投資を惜しまないほうなんですが、これは、なんというか、金額以上に「覚悟」のいる品物です。


常設展示

北海道の東旭川郵便局に1枚飾っていただけることになりました。
近くに住む祖母が、和紙ちぎり絵の作品をもう長いこと飾ってもらっていることからの便乗展示です。
3、4ヶ月ごとに掛け替えているようなので、どんどん新しい絵を描かなきゃ。
こういう形の応援、何よりありがたいです。


カランダッシュ・パブロ油性色鉛筆 全色退色試験 結果

<条件>
各色下半分を2mm黒マットで覆った状態で
室内LED照明下で約1ヶ月、その後、屋外直射日光下で約1週間

※いつも使っている下地処理した紙の上に描いたため、普通の水彩紙などと比べて圧倒的に「粉が乗った状態」です。
※定着剤は未使用。
※ちょうど覆いの境あたりに色の薄いラインがあるのは、マットと擦れて色が落ちたためで退色試験の結果とは関係ありません。

著しく退色している色(室内試験から退色確認・使用厳禁)
111 MAUVE ☆
140 ULTRAMARINE ☆☆
145 BLUISH GREY ☆☆
159 PRUSSIAN BLUE ☆☆
退色している色(なるべく使用は避けるべき)
139 INDIGO BLUE ☆☆
141 SKY BLUE ☆
151 PASTEL BLUE ☆☆
245 LIGHT OLIVE ☆☆
よく見れば退色している色(使わないに越したことはない)
130 ROYAL BLUE ☆☆
131 PERIWINKLE BLUE ☆

※☆はメーカー公表の耐光性 最高が☆☆☆

というわけで、カランダッシュ製油性色鉛筆パブロについては、青系に耐光性の劣る色が多数含まれていることがはっきりしました。

この機会に退色についていろいろ調べてみたのですが、主に屋外の看板などについての記載ですが、赤・黄は退色が早く(紫外線を吸収しやすいため)、青は安定という内容がほとんどで、塗料と画材で真逆の結果が出たことには、疑問が残るところです。

一応、青系でも
150 SAPPHIRE BLUE ☆☆☆
260 BLUE ☆☆☆
などは、☆3の意地を見せ、まったく退色は確認できなかったので、そうした信頼性のある色をうまく使っていけば、なんとかなるかなーという気もしますが、ここまでやると、パブロ固有の特徴なのか、それとも青色はそもそもそういうものなのか、もうちょっと踏み込んでみたくなったので、近いうちに他のメーカーの物や、カランダッシュでも耐光性を売りにしているルミナンスシリーズで実験をしてみようと思います(さすがに全色は大変なんで、青系だけしかやりませんが)。

最後に、これは画材メーカーの名誉のためにも触れておかないわけにはいかないのですが、色鉛筆(パステルや水彩も)は、そもそも光に弱い画材で、直射日光に剥き出しで晒すような展示はまったく想定していません。美術館でも、通常より照明を落とした部屋で展示しています。
そして、屋外直射日光下の紫外線量を100とすると、室内(直射日光が当たらない場所)だと10、さらにアクリルの入った額にいれると、アクリル板が紫外線を90%カットするので、単純計算で1。
つまり、直射日光下1週間というのは、額装済み室内展示約2年に匹敵する紫外線を一気に浴びせたことになるので、使用厳禁の4色以外は、たぶん普通に使っても問題ないだろうとは思います。

P.S.今まで展示販売してきた作品で、今回退色の確認された10色を使ったものはありませんので、安心してお部屋に飾ってください。